確定診断が下った時点で私のリンパ節のしこりは約1〜3cmが3つ。
右乳房からの局所リンパ節転移と見られ、ステージはⅡb。
術前化学療法は2週間後に行われることになりました。
済陽高穂先生との出会い
星野式ゲルソン療法、本家ゲルソン療法を学ぶうち、
「今あるガンが消えていく食事」という済陽高穂(わたようたかほ)先生の著作に出会います。
本家ゲルソン療法は、入院して行わなければ無理なほど厳格でしたし、
星野先生も拠点は福島と遠く、指導を仰ぐことは難しいと思われました。
対して済陽高穂先生は東京にクリニックを構えておられ、
著書も親しみやすく、
ゲルソン療法の
- 減塩
- 生ジュース摂取
を基本とされ、
- 消化器外科の専門医
の立場から、何より、三大治療を否定せず適切に行うと同時に、
食事療法を行っておられます。
私は矢も盾もたまらず、先生のクリニックに電話をし、
診ていただけないか問い合わせました。
すると引き継ぎののち先生ご自身が電話口に出てくださり、
「東京でPET検査を受けて貰えれば、
その後指導する」
と言っていただけました!
私は勇んでG大病院の主治医の所に出かけ、
あからさまに嫌な顔をする主治医に、
「食事療法をしたいので、紹介状を書いて欲しい」
と頼み込みました。
そうして本を購入してから1週間後には、
東京・高島平にある済陽高穂先生のクリニックで検査を受けることができました。
先生はG大病院からのCTなどのX線画像の入ったCDは私に返し、
引き続きの指導は東京・八重洲からほど近いクリニックで、
ひと月に一回受けることになりました。
済陽高穂先生の指導内容
済陽先生の指導は、以下の通りです。
- 生ジュースを1日最低1.5Lは摂取する。
- 可能な限り減塩生活をする。
処方された薬は、
- タウリン(抗がん剤治療に耐えるため)
- 十全大補湯(漢方薬)(病後の体力低下、食欲不振、冷え、貧血などの改善)
- 牛車腎気丸(漢方薬)(疲れやすく手足が冷えやすい人に用いる)
ほかに、
- ビール酵母(アサヒ・エビオス錠:腸内環境を整えるため)
指導はとてもシンプルなものでした。
先生は「大丈夫、これで癌を小さくできるから」
と優しく声掛けしてくださいました。
野菜・果物を絞って摂取する際には、
できるだけ素材の栄養素を壊さないよう、
低速ジューサーを使うことが望ましいとのことで、
友人の会社を通してゼンケンのベジフルを購入。
さっそく生ジュース生活を始めました。
生ジュースでしこり劇的縮小
生ジュース生活を始めて、
すぐに体に変化がありました。
何より、飲むと身体中の血流が、
覚醒したように拍動するのです。
基本は人参・りんご・レモンなどの、
ファイトケミカルと呼ばれる野菜・果物を中心に、
小松菜やきゃべつなどの青物をジュースにするのですが、
それまで経験のない鮮烈な飲料で、
巷に出回る野菜ジュースや100%果汁がいかに嘘ものか、
よくわかります。
けっして飲みやすい代物ではないのですが、
生きた酵素とはどんなものか、
やってみればすぐにわかります。
コップ一杯でも目が醒めるような効果がありますが、
それを1日1.8Lも飲むのです。
身体中の細胞が入れ替わるのではないかと思える、
そんな治療法でした。
そうして抗がん剤治療までたった1週間でしたが、
自分で触れてもわかるほど、
腋窩のしこりは小さくなっていきました。
腫れて熱を持っていたしこりは、
おとなしく存在感が弱々しくなっていました。
***
抗がん剤治療初日の触診では、
主治医も驚くほど、しこりが小さくなっていました。
正確に言うと、主治医は小さな声で、
「小さくなってる」といぶかしげに呟いただけですが。
私は内心ガッツポーズでした。
そうして粛々と、標準治療の抗がん剤治療も
受け始めたのでした。